49歳男性 単焦点レンズ 強度近視眼
術前 | 術後 | ||
右眼 遠見 | 0.02(0.6×-17.75D) | 右眼 遠見 | 1.2(n.c) |
左眼 遠見 | 0.01(0.6×-17.50D) | 左眼 遠見 | 0.5(1.2×-1.0D) |
強度近視のため地元の眼科に通院されていましたが、白内障が進んできたため当院を紹介受診されました。
最強度近視であり、眼軸長は両眼とも30mm超と極度の超眼軸長眼でした。なるべく眼鏡使用をしたくないとのことで多焦点眼内レンズもお考えでいらっしゃいましたが、最強度近視のため選択できる眼内レンズがほとんどないこと、度数計算の予測値からズレが生じる可能性が高いことなどから、単焦点レンズをお勧めし、左右で度数をずらすモノビジョン法について提案しました。近方視よりは遠方視を重視されており、モノビジョンの中でも左右差を軽度にしたいとのご希望で、また強度近視眼は予測値より遠視側にズレを生じる事が多いと言われているため、右眼を-0.5D程度(焦点距離約2m)に、左眼を-1.5D程度(焦点距離約65cm)を狙って眼内レンズの度数選択を行いました。(眼内レンズ度数計算式には、近年最も精度が高いと言われているBarrett Universal 2式の他に、Hill-BRF式も用いて、なるべく屈折誤差の生じないように度数選択をしました)
術後両眼とも大きな屈折誤差は生じず、右眼は遠方に焦点が合い裸眼で1.2まで視力が改善し、左眼は1m程度の焦点距離となりました。手元作業は近用眼鏡が必要とのことでしたが、運転は裸眼でできるとのことでした。
強度近視眼は選択できる眼内レンズの種類や度数に制限があり、またピントの予測値からズレが生じる可能性も高いため、度数選択が難しい眼の一つです。