49歳男性 右視力 術前0.1(0.5) → 術後0.2(1.2)
歪視の自覚があり他院を受診したところ、右眼の黄斑前膜を指摘されたとのことで当院を受診されました。下記のOCTのように右眼には高度の黄斑前膜が見られました。

特発性黄斑前膜としては若く、何らかの原因がある続発性黄斑前膜の可能性が高いと考え、散瞳して眼底検査を行ったところ、下方の萎縮円孔を原因とした緩徐進行網膜剥離が見られました。黄斑前膜は網膜円孔・網膜剥離が原因で生じたものであり、網膜剥離は緩やかに進行するタイプで受診時の視力低下の主な原因は黄斑前膜であったものの、放置するといずれ高度の視機能低下に至る可能性が高いと思われました。手術が必要と判断し、黄斑前膜と網膜剥離を同時に治療を行える硝子体手術の方針としましたが、網膜剥離が硝子体手術では再発のリスクの高い下方であったため、硝子体手術に強膜内陥術も合わせて行うこととしました。(白内障はほぼなく若い患者様でしたので、手術後に白内障が進行する可能性をお話した上で白内障手術は行わず水晶体温存で手術を行いました。)

手術後は黄斑前膜がきれいに除去され、網膜剥離もしっかり復位して再発なく、視力も大きく改善しました。